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ゲルに泊まろう!

8月25日 木曜日 (9)

●遙かなるゲルを求めて
3台の車は、今度はゲルのあるところを目指して、再び走り出した。車窓を夕日が染める。
夕映え

あたりの風景はどんどん寂しくなる。外に出ている子どもたちがいる。夕ご飯はまだなのかな? それとも、もう夕ご飯を食べたあとなのかな?
子どもたち

行く手にゲルが見えるたび、「あれかな?」、「今度こそあれかな?」と祈るような思いで見つめるけれど、ドライバーさんはそんなのに見向きもせず、どんどん通り過ぎていく。私たちが泊まるゲルは、いったいどこにあるのだろう。もうすぐ夜8時。
夕暮れ


●車が壊れた? ドライバーよ工具を取れ!
いつの間にか、車はまた山道を登っていた。今度の山道は半端じゃない。石ころがかなり大きい。イメージでいうと、岩のごろんごろんしている谷川の底をのぼっている感じだ。

車は大きく右に左に傾き、いつひっくり返っても不思議はない。さすがにここは「走る」のは無理だ。時速どのくらいだろう。15キロ? 20キロ?

無駄に不安になるだけなので、もう、時計を見ないことにした。

車が急に停まった。「休憩」という雰囲気ではない。

懐中電灯を持って様子を見に行ったドライバーさんが戻ってきて、座席の後ろだか下だかから、工具を引っ張り出して、また出て行った。

冗談抜きで「故障」らしい。

外は、真っ暗だ。

JAFも呼べない。(当たり前。)

ついてこないので何かあったらしいとわかったか、先へ行っていた車も戻ってきた。

ちょこちょこ休憩を挟んでいるとはいえ、十数時間も運転し続けて、ドライバーさんたちも相当疲れているだろう。でもそんなそぶりはつゆも見せない。。

あとになって「風の旅行社」の人に聞いたのだが、モンゴルではまだウランバートルのような一部の都会をのぞいて、レンタカーとか観光バスといったものがビジネスとして普及していないのだという。

つまり、ウルギーでお世話になった3人のドライバーさんたちは、みんな「個人タクシー」で、車はどれも自分で所有しているものなのだ。

だからだろうか、カザフのドライバーさんは、何が起ころうと顔色ひとつ変えない。ただ黙々と工具を手に、音を上げてしまった車をなだめて調子を直してやるだけ。その姿はまさに、具合の悪くなった羊の面倒を見る遊牧民そのものだ。

カザフのドライバーさんは、かっこいい。


●山の上のゲル・キャンプ
車も何とか直り、私たちはどんどん山を上っていった。やがて、細い道の脇に木でつくった小さな門のようなものが見えた。ずっと先に明かりが見える。ついに目的地についたのだ。遠かったなあ。

「ここから先は歩きます」
スタッフの先導で、みんな懐中電灯の明かりを頼りに、ごつごつの地面を歩き始めた。真っ暗な闇に、白いゲルがいくつも並んでいるらしいのが、うすぼんやりとうかがえる。大きな木造の建物もある。そこが食堂らしい。

キャンプの人が、ゲルの入り口を開けてくれているようだ。スタッフが部屋割りを書いた紙を手に、誰がどこに泊まるかを指示していく。1つのゲルに4人で宿泊するとのこと。私も自分のゲルを見つけて、中に入った。

ゲルの中には電灯がついている。発電機で電気を起こしているらしい。暖かい電球の光を見て、ほっと気が緩んだ。外から見ると小さく見えるが、中に入ると意外に広くて、真ん中にストーブがあり、ベッドが4つ、壁に沿って置かれている。

ハリー・ポッターが「炎のゴブレット」でクィディッチのワールド・カップを見に行ったときの、外側は小さいのに中に入るとすごく大きな魔法のテントを、ちょっと思い出した。
ゲルの中


●トイレは「茂み」に決定
キャンプのすぐそばを谷川が流れており、ゲルが並んでいるあたりから数メートル先は、もう、ちょっとした崖のようになっている。その崖っぷちのところに、小さな1人用の木造トイレがある。

でも、暗いし狭いし足を踏み外しそうだし、恐ろしくて、とても中に入ってドアを閉める気にはならない。迷うことなく、「ブッシュの陰で青空トイレ(というか、夜空トイレ)」を選択。

懐中電灯を片手に、ちょっと下のほうに降りてみて、具合の良さそうな茂みの陰を「私の場所」と決めた。


●ゲル・キャンプの眠れない夜
食堂で遅い夕食をいただいて、ゲルに戻ろうとしたら、見た目はどれも一緒だから自分のゲルがわからなくなってしまった。やばい、「部屋番号」を確認するのを忘れていた。せっかくキャンプにたどり着いたのに、ゲルに戻れず野宿することに?

ひとしきりうろうろと迷い歩いた末、どうにか隣の建物を目印に自分のゲルへ戻ってくると、ストーブで薪がバチバチ音を立てて激しく燃えていた。夜は冷えるので、キャンプの人が奮発して(?)焚いてくれたらしいが、まだそれほど寒さが厳しい季節でもないので、Tシャツ1枚になっても汗が出るほど暑い。

これじゃ暑くて眠れないぞ、と思ったけど、すぐに燃え尽きてしまうくらいの薪の量だったようで、少ししたら落ち着いて、余熱でほんわか暖かいくらいになった。薪の燃える香ばしい匂いが、遠い昔、かまどでご飯を炊いていたころの記憶を呼び覚まして、懐かしい。

ペットボトルの水で歯磨きをして、寝支度をするころには、もう真夜中。あまり清潔そうではない寝具だったので、「ダニよけシート」を下に敷き込んで横になった。

ベッドはスプリングを横に張り巡らした、ハンモックのようなつくりで、横になるとびよーんと腰が沈み込んでしまう。疲れているからすぐに眠るかと思っていたけれど、すごく寝づらい。

ようやくうとうととしかけたころ、酔っ払ってケンカしているらしい男たちの怒鳴り声で起こされた。枕元の携帯を見ると、午前3時。ガシャンという音がした。酒瓶でもたたき割ったか。うーむ、どこのどいつだ怪しからん。都会の場末の安宿じゃあるまいし、こんな山の上まで来て、もう勘弁してください…zzz


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※ワールド・ビジョン「モンゴルを知る旅」のツアー報告とスライドショーは、ワールド・ビジョン・ジャパン の こちらのページで見られます。


まだまだ終わらないよ。 by たびたま


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